大判例

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大津地方裁判所 事件番号不詳〔1〕 判決

主文

被告会社を罰金一五六万円に処する

失業保險法違反に付いては罰金五千円に処する

被告人大谷龍雄を懲役拾月に処する

訴訟費用は被告人等の負担とする

理由

被告会社は大津市膳所本町に於て衡器、バネ、座金、サドル、伸線等の製造販売を業とし約五百名の従業員を使用する事業主、被告人大谷龍雄は被告会社の代表取締役をしていた者であるが、

被告人大谷は右被告会社の業務に関し

第一  被告会社の従業員に対し昭和二十二年十二月分以降昭和二十三年六月分迄各月給與の支拂をする際其都度所定の給與所得税相当額を控除し

昭和二十二年十二月分 一九二、九〇五円

昭和二十三年 一月分 二一七、二二二円

同年二月分 六五、二二三円

同年三月分 一九二、六九三円

同年四月分 三五七、六二九円

同年五月分 四〇一、三四七円

同年六月分 一四六、三七五円

合計金百五十七万三千三百九十四円を徴收したに拘らず所定の納期である各翌月十日迄に所轄大津税務署に該税金を納付せず

第二  被告会社の従業員に対し給與の支拂をする際同従業員等が負担すべき所定失業保險料額を控除し

昭和二十三年二月分 一五、一七七円九五

同年三月分 一四、九六四円〇二

同年四月分 二〇、九〇〇円〇〇

同年五月分 二三、四八五円五〇

同年六月分 二三、五〇〇円〇〇

合計金九万八千二十七円四十九銭を徴收したに拘らず所定の納期である各翌月末日迄に所轄庁である滋賀県職業安定課に該保險料を納付しなかつたものである。

右事実は被告人等の当公廷に於ける判示同旨の供述並元大津税務署庶務課長野上三郞、滋賀県職業安定課員吉田俊彦の当公廷に於ける判示の如き所得税額、失業保險料額未納事実顛末の供述を綜合して之を認定する。

法律に照すと被告人大谷の判示第一の所為は各所得税法第三十八條第一項、第六十九條第二項に判示第二の所為は各失業保險法第三十二條、第三十三條、第三十四條、第五十三條第二号に該当するから夫々所定刑中懲役刑を選択し、右は刑法第四十五條前段の併合罪であるから同法第四十七條第十條に則り重き右判示第一の最後の所得税法違反罪の刑に法定の加重をしその刑期範囲内に於て同被告人を懲役拾月に処すべきものである。

次に事業主である被告会社については所得税法第七十二條第七十四條を適用して各所定刑中罰金刑を科することとし昭和二十二年十二月分の所得税十九万二千九百五円滯納の所為に付罰金二十一万円同年二月分所得税六万五千三百二十三円滯納の所為に付罰金七万円同年三月分所得税十九万二千六百九十三円滯納の所為に付罰金十九万円同年四月分所得税三十五万七千六百二十九円滯納の所為に付罰金三十五万円、同年五月分所得税四十万千三百四十七円滯納の所為に付罰金四十万円、同年六月分所得税十四万六千三百七十五円滯納の所為に付罰金十五万円に各処し、失業保險法第五十五條を適用し所定刑中罰金刑を科することとし、各所為は刑法第四十五條前段の併合罪であるから同法第四十八條により最後の失業保險料滯納罪の刑に法定の加重をし其額の範囲内に於て罰金五千円に処すべきものである而して公判に於て取調べた証人に支給した旅費日当は訴訟費用として旧刑事訴訟法第二百三十七條(刑事訴訟法施行法第二條により旧法を適用)により被告人等の負担とすべきものである。

依て主文の通り判決する。

(裁判官 小久保美憲)

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